「辞めたいけど、これって逃げなんじゃないか」——私も当時、ずっとその言葉が頭の中をぐるぐるしていました。新卒で入った引っ越し業者を正社員3ヶ月(アルバイト期間を含めると約5ヶ月)で退職した私が、辞めるまでの経緯とそのあと感じたことを正直に書いてみます。
「辞めるのは逃げだ」という言葉が頭から離れなかった
「とりあえず3年は続けろ」という言葉、一度は聞いたことがあると思います。私もそうでした。辞めたいと思いながらも、「ここで辞めたら逃げた人間になるんじゃないか」と、その考えがブレーキになっていました。
周りに相談しても、「もう少し頑張ってみたら」と言われることもありました。でも今振り返ると、あの退職は逃げではなく、自分にとって必要な判断だったと思っています。誰にでも「辞めた方がいい」と言いたいわけではありません。ただ、同じように悩んでいる人の判断材料になればと思って書いています。
私が新卒3ヶ月で退職を決めるまで
退職を決めるまでに、大きく3つの出来事がありました。どれか一つが決定打というより、じわじわ積み重なっていった感覚です。
雇用契約をまともに取り合ってもらえなかった
入社してから、雇用契約について気になることがあり何度か確認しようとしました。ただ、聞いても毎回あやふやにされる。はぐらかされて、具体的な回答が返ってこないんです。
雇用契約って、働くうえで一番ベースになるものだと思います。そこを適当にされると、「この会社は大事なことを適当にする会社なんだな」と感じてしまう。価値観が合わないと思い始めたのは、この頃からでした。
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「大事なことなのに、聞いてもちゃんと答えてもらえない」って、
地味にしんどいです。
終わるはずのない仕事量が当たり前だった
毎日の仕事量が、はなから就業時間内に終わるようなものではありませんでした。終わらないのが当たり前。それが1日だけの話ではなく、ずっと常態化していたんです。
さらに、実際の労働時間と記録が合っていなかった。本来の残業時間がそのまま記録されず、実態より少ない時間がつけられていました。会社の上の人が容認しているのか、そもそも実態を把握していないのか。どちらにしても、管理体制が機能していないんじゃないかと感じていました。
はなから終わらない量の仕事を振っているということは、残業前提で回っている組織だということです。しかも、その残業を正しく記録していない。当時の私は「ここにいたら消耗するだけだ」という感覚がどんどん強くなっていました。
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残業時間の記録が実態と合っていないのは、かなり根の深い問題だと思います。
人間関係まで選べない環境だった
職場環境が厳しいせいか、人の入れ替わりが激しい会社でした。残っている人も「とてつもなくお人好しな人」か「とてつもなく性格がきつい人」の両極端で、自分とうまくやっていけるイメージが持てませんでした。
こういう職場の雰囲気って、いわば会社の色みたいなもので、自分一人がどう頑張ったところで変わるものではありません。「この人たちとこの先もずっと働くのか」と考えたとき、正直しんどかったです。
父の一言と「最後の確認」
ある休みの日、実家に帰った私を父が家まで車で送ってくれたことがありました。その車の中で、「本当にしんどいなら、一旦戻ってきてもいいから」と言ってくれたんです。
その言葉がずっと頭に残っていました。しばらくして、私は自分の中で決めました。「もう一度、雇用契約のことを聞きに行こう。それでまたまともに取り合ってもらえなかったら、辞めよう」と。
実際に聞きに行くと、やっぱり同じでした。はぐらかされて、具体的な回答は返ってこない。
「ああ、もうだめだ」——そう思って、その場で「辞めます」と伝えました。
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退職直後の解放感と、そのあとにきた不安
退職した直後は、すごくスッキリしていました。ストレスから解放された開放感がとにかく大きかった。
でも、その感覚がずっと続くわけもなく。少し経つと「これからどうするんだ」という不安がじわじわ大きくなってきて。やりたいことが明確にあったわけではなかったので、辞めた後の方がむしろ不安は大きかった気がします。
「辞めれば全部解決する」わけではなかった。退職後は実家に戻り、貯金と日雇いバイトで生活していた時期もあります。ただそれでも、あの環境に居続けるよりはずっとましでした。
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辞めた直後は「やっと自由だ」という気持ちでした。
不安が来たのは、少し落ち着いてからです。
そもそもなぜこの会社に入ったのかという話ですが、実は就活の時点でかなり妥協していました。就活を妥協して入社し、3ヶ月で辞めることになった経緯はこちらの記事に書いています。


それでも退職は「逃げ」だとは思わない理由
私があの退職を逃げだと思わない理由は二つあります。
- あのまま続けていたら心身が壊れていたと思う。
雇用契約をまともに扱ってもらえない、残業の実態が正しく記録されない、人間関係もきつい。この状態のまま「3年続けろ」に従っていたら、どこかで限界が来ていたはずです。 - 辞めたからこそ今の仕事に出会えた。
退職後に職業訓練校でプログラミングを学び直し、今は社内SEとして働いています。今の仕事は自分の性に合っていると感じていて、辞めなければこの道には来ていなかった。
けれどこれは完全に結果論です。辞めた時点でこうなるなんてわかっていませんでした。でも、あの環境に留まっていたらこの結果にはたどり着いていない。それだけは確かだと思っています。
職業訓練校でプログラミングを学んで実際に意味があったのかは別記事にまとめています。


「逃げ」と「必要な撤退」の線引きって、正直よくわかりません。ただ、自分なりの基準を一つ挙げるなら、「その場所で自分が努力して、状況が変わる見込みがあるかどうか」だと思います。雇用契約の扱い方、残業の管理体制、職場の雰囲気——どれも、新卒の自分一人でどうにかできるものではありませんでした。
同じように悩んでいる人に伝えたいこと
私から「辞めた方がいい」とも「もう少し頑張れ」とも言うつもりはありません。それは本人にしか判断できないことだと思うからです。その最終判断を人に任せてしまうことこそ「逃げ」なんだとも思います。
ただ、少なくとも私は退職したことを後悔していません。辞めた後に不安はありましたし、すぐに道が開けたわけでもなかった。それでも、あの環境に居続けるよりはよかったと思っています。
一つだけ、過去の自分に伝えるとしたら。辞めるにしても辞めないにしても、「自分にはどんな選択肢があるのか」をちゃんと調べて知っておけということです。
私の場合は辞めてから次を探す形になりましたが、在職中にもっと情報を集めておけばよかったなと思います。転職サイトに登録だけして求人を眺めてみる。それだけでも「今の会社以外にも道はある」と思えて、追い詰められた感覚が少し和らいだかもしれません。
辞めるにしても残るにしても、選択肢を知っているだけで見え方は変わります。当時の私にはその余裕がなかったけれど、この記事を読んでいるあなたにはまだ時間があるはずです。
退職してからの経緯——どうやって社内SEになったのか、生活がどう変わったかについては、別の記事で詳しく書いています。









