「今の仕事、このまま続けていて大丈夫なんだろうか。」転職を考えたことがある人なら、一度はこんなふうに思ったことがあるんじゃないでしょうか。私もそうでした。新卒で入った引っ越し業者を、正社員としてはわずか3ヶ月で辞めて、そこから職業訓練校を経て社内SE(情報システム部門)に転職しました。
この記事では、なぜ辞めたのか、辞めた後どうしていたのか、そして社内SEに転職して生活がどう変わったのかを、できるだけ正直に書いていきます。今の仕事を続けるか転職するか迷っている方にとって、何か一つでも参考になればうれしいです。
新卒で引っ越し業者に就職した理由と、3ヶ月で辞めるまでの話
引っ越し業者を選んだ理由
大学時代、生活費として日雇いバイトをしていました。そのなかで何度か引っ越し作業に入ることがあったんですが、一緒に働く人たちがどの現場でもいい人ばかりで、体力的にはしんどくてもやりがいを感じていました。
就活中にたまたま引っ越し会社から声をかけてもらい、日雇いでの経験から「引っ越しの仕事も悪くないな」という印象があったので、そのまま入社を決めました。今振り返ると、日雇いで行っていたのは別の会社だったので、「引っ越し業界」に対する印象だけで決めてしまった部分はあったと思います。
内定後に聞いた「2月からの泊まり込み研修」
内定をもらってホッとしたのも束の間、正社員のスタートは4月のはずが、「2月からアルバイトとして働いてほしい」と後から聞かされました。研修という名目でしたが、実質的には泊まり込みでの現場勤務です。正直、「え、聞いてないんだけど…」という気持ちでした。ただ、せっかく決まった就職先だったので、そこは受け入れて2ヶ月間アルバイトとして働き、4月から正社員になりました。
体力よりもしんどかったこと
引っ越しの仕事が体力的にきついのは、日雇い時代からわかっていました。そこは覚悟のうえです。
私にとってしんどかったのは、人間関係のほうでした。まず、職場全体の雰囲気として、一緒に働いている人たちが常にピリピリしていて、居心地が悪かったんです。相性の悪い人と一日回ることになるととても辛かったです。日雇いで行っていた別の引っ越し会社では周りの人がいい人ばかりだっただけに、そのギャップは大きかったです。
そしてもう一つ、当時の支店長とのやり取りです。私は雇用契約の内容など、自分にとって大切なことを確認したくて何度か質問していました。でも、まともに取り合ってもらえないんです。聞くたびにあやふやにごまかされたり、はぐらかされたり。おそらく会社側にとって都合の悪い内容だったのだと思います。
大切なことを聞いているのに、ちゃんと向き合ってもらえない。そのつらさと会社への不信感が、毎日の疲れと一緒に少しずつ積み重なっていく感覚がありました。
退職を伝えた日のこと
ある日、「今日聞きに行って、またまともに取り合ってもらえなかったら、もう辞めよう」と決めていました。そして実際に聞きに行くと、やはり同じように適当にはぐらかされました。「ああ、もうだめだ」そう思い、その場で「辞めます」と伝えました。
4月に正社員になってから3ヶ月、アルバイト期間も含めると約5ヶ月でした。計画的に準備して辞めたわけではなく、限界が来て辞めた、というのが正直なところです。もっとうまいやり方があったのかもしれません。でも、あの時の自分にはそれが精一杯でした。
退職してから動き出すまでの「何もできなかった期間」

実家に戻って、貯金と日雇いバイトで生活していた
退職後は実家に戻りました。引っ越し時代に貯めたお金と、学生時代にやっていた日雇いバイトに復帰して、なんとか生活費を工面していた感じです。実家にもいくらかお金は入れていたので、楽な状況ではありませんでした。
「どうしよう」と思いながらも動けなかった正直な気持ち
「早く次の仕事を見つけないと」という焦りはありました。でも、すぐに働く気持ちにはなれなかった、というのが正直なところです。不安と焦りは常にあるのに、なぜか行動に移せない。あの時期は自分でも何をしたいのかよくわからない状態だったと思います。
同じような経験がある方もいるんじゃないでしょうか。あの「動けない期間」って、渦中にいるとすごくつらいんですよね。
職業訓練校という選択肢を見つけた経緯
転機になったのは、母親に「とりあえずハローワークに行ってきなさい」と言われて足を運んだことです。そこで「地域若者サポートセンター」を紹介してもらいました。そのセンターで相談するなかで、学生時代に少しだけ触ったことがあったプログラミングのことを思い出しました。「もう一回ちゃんと学んでみたい」と思い、さらにセンターの方から職業訓練校を勧めてもらって、通うことを決めました。
今だったらプログラミングスクールという選択肢もあると思いますが、当時の私はお金に余裕がなかったので、無料で通える訓練校はありがたかったです。
職業訓練校でプログラミングを学び、転職活動を始めた
訓練校で学んだことと、通ってみた感想
訓練校ではプログラミングの基礎を一から学び直しました。学生時代に独学でかじった程度だったので、体系的に教えてもらえる環境はありがたかったです。同じように未経験から学んでいる人たちと一緒だったのも、気持ちの面では大きかったと思います。
転職活動で使ったサービス(paiza・マイナビ・転職博)
訓練校に通いながら、少しずつ転職活動も始めました。私が使っていたのは主に以下のサービスです。
- paiza:プログラミングの学習コンテンツがあり、そこからスキルに合った求人に応募できるのが良かったです。paiza経由で転職エージェントにも相談でき、未経験の自分にはありがたかったです
- マイナビ転職:一般的な転職サイトとして求人を探すのに使いました
- 転職博:転職フェアのようなイベントにも参加して、直接企業の方と話す機会を作りました
最終的には「人のつながり」で今の会社と出会った
いろいろなサービスを使って活動していたのですが、最終的に今の会社に入るきっかけになったのは、親戚のつてでした。知り合いのつながりで面接を受けることになり、そのまま入社が決まったという流れです。
転職活動って、どこに縁があるかわからないなと実感しました。サービスを使うのはもちろん大事ですが、身近な人に「仕事を探している」と伝えておくのも、意外と大事なのかもしれません。
引っ越し業者と社内SE、生活はどう変わったか【ビフォーアフター】

振込額は同じ20万円なのに、手残りが増えた理由
引っ越し時代の月収は、見込み残業込みで額面25万円ほど。税金や社会保険料を引くと、実際に振り込まれるのは約20万円でした。そして今の社内SEとしての給与も、銀行に振り込まれる額は約20万円です。
「変わってないじゃん」と思うかもしれません。でも、この2つの「20万円」は中身がまったく違います。引っ越し時代の20万円は、ここから家賃を自分で払う必要がありました。一方、今の20万円は家賃がすでに引かれた後の金額です。会社から家賃手当が出ていて、家賃は給与から天引きされているので、振り込まれた20万円がほぼそのまま生活費として使えます。
同じ「手取り20万円」でも、家賃を払う前と払った後では、手元に残るお金がかなり変わってくるんです。
コンビニ食がなくなっただけで、お金の使い方が変わった
引っ越し時代は、仕事の性質上どうしても食事がコンビニ中心になっていました。毎日のように500〜800円くらいの出費が積み重なっていたと思います。
今は生活リズムが安定しているので自炊する余裕があり、食費がかなり減りました。「稼ぎが増えた」というよりも、「無駄な出費が減った」ことで使えるお金が増えた、という感覚のほうが近いです。
働き方と気持ちの変化──「明日も仕事か」と思わなくなった
今の会社では、残業代が1分単位で出ます。フレックス勤務もできるし、有給も問題なく取れます。少なくとも情シス部門の人間関係は悪くなく(他部署はわかりません…)、引っ越し時代のように上司の対応にストレスを感じることもありません。
数字だけでは見えにくい部分ですが、「明日も仕事か…」と思う頻度が明らかに減りました。精神的な余裕が生まれたのは、転職して一番よかったことかもしれません。
社内SEに転職してよかったこと・正直に感じている「天井」
よかったと感じていること
ここまで書いてきた通り、働き方も生活の質も、引っ越し時代とは比べものにならないくらい変わりました。残業が少なく、フレックスや有給も使える。人間関係も悪くない。未経験から入ったことを考えると、社内SEという仕事には感謝している部分が大きいです。
ただ、すべてが満足かと聞かれると、そうでもない部分もあります。
技術面の天井──社内の技術が古く、スキルが停滞する感覚
社内SEの仕事で使う技術は、かなり固定的です。しかも、世の中の最新技術と比べると古いものが多い。日々の業務はこなせていても、「自分のスキルは外で通用するんだろうか」という不安がふとした時に頭をよぎります。
給与面の天井──情シスは売上を作らないから評価されにくい
情報システム部門というのは、直接売上を作る部署ではありません。そのためか、なかなか評価が上がりにくく、給与の伸びも緩やかだと感じています。今の給与に大きな不満があるわけではないのですが、「この先どこまで上がるんだろう」と考えると、正直なところ不安はあります。
ポジションの天井──親会社からの出向者が上を占めている
これはすべての会社に当てはまる話ではないのですが、私の会社の場合、上のポジションは親会社からの出向者で占められています。部署内で一番上の役職に就くということも、現実的にはほぼ不可能な状態です。
こうした構造的な天井があることは、転職前には見えにくい部分だと思います。
転職を迷っている人に、経験者として伝えたいこと
あのとき辞めていなかったらと思うことがある
もしあのまま引っ越し業者を続けていたら、今の生活はなかったと思います。もちろん「辞めて正解だった」と胸を張って言い切れるかというと、タイミングや運もあったので簡単ではありません。もしかしたらもっとブラックな企業に転職していたかもしれません。でも、あのとき行動したこと自体は、間違っていなかったと思っています。
「完璧に準備してから」じゃなくても大丈夫だった
私の場合、退職時にプログラミングのスキルがあったわけでもなく、明確なキャリアプランがあったわけでもありません。訓練校に通ったのもサポートセンターで勧められたからですし、今の会社に入れたのも親戚のつてがあったからです。
振り返ると「完璧に準備してから動こう」としていたら、きっと何も始められなかったと思います。
まずは情報を集めるだけでも、気持ちが少し楽になる
転職するかどうかは別として、「自分にどんな選択肢があるのか」を知るだけで、気持ちがだいぶ楽になります。私の場合、最初の一歩は母親に言われてハローワークに行ったことでした。自分から動いたというよりは、背中を押されてようやく動けた感じです。
ただ、わざわざハローワークに足を運ばなくても、転職サイトに登録して求人を眺めるだけで「こんな仕事もあるんだ」と知ることができます。「今すぐ辞める」じゃなくていいんです。家で求人を見てみるだけでも、今の状況を客観的に見るきっかけになるかもしれません。
最後に

この記事が、母親に「ハローワークに行ってきなさい」と言われてようやく動き出した私のように、誰かの背中を少しでも押せたらうれしいです。
今回の記事では書ききれなかった途中の話もたくさんあります。今後は社内SEとして働くなかで感じている「天井」への向き合い方や、20代からの資産形成についても書いていく予定です。気になる方はぜひまた覗きに来てください。

