「未経験から社内SEって、本当にやっていけるんだろうか」——転職を考えていた頃、私も夜な夜なこの言葉で検索しては、出てくる情報がバラバラで余計に迷っていました。この記事では、未経験から社内SEになって3年働いた私が、20代のうちに感じたスキル・給与・働き方のリアルを正直に書いています。おすすめする話でも止める話でもなく、読んだ人が自分で判断できる材料になればと思って書きました。
未経験で社内SEへの転職、正直迷いますよね
社内SEという仕事、外から見るとわかりにくいですよね。「楽そう」と言われることもあれば、「スキルがつかないからやめとけ」と言われることもあります。私自身、転職を考えていた当時はどのの情報を信じればいいのかわからず、ずっとモヤモヤしていました。
私は職業訓練校でプログラミングを学び直したあと、縁があって今の会社に社内SEとして入りました。完全な未経験スタートで、気づけば3年が経ちます。
3年働いてみて、ネットに書かれている「楽」も「スキルがつかない」も、半分は本当で半分は違うというのが正直な感想です。この記事では、良いところも悪いところも、自分が実際に感じたまま書いていきます。
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3年いたからこそ見えてきた部分があるので、同じように迷っている人の参考になれば嬉しいです。
引っ越し業者を辞めて社内SEにたどり着くまでの経緯はこちらに書いています。


前提として|社内SEの環境は会社ごとにまったく違う
話を始める前に、ひとつだけ共有しておきたいことがあります。それは、社内SEと一口に言っても、会社によって仕事内容がまるで違うということです。
自分たちでシステムを内製している会社もあれば、ベンダーに発注して管理だけする会社もあります。社内のヘルプデスク対応がメインの会社、基幹システムの運用保守が中心の会社、新しい技術をどんどん試している会社——会社ごとに驚くくらい違います。
なので、これから書く内容は「私が3年間働いている会社」を基準にした話になります。読んでいる方が見ている求人がまったく違う環境の可能性もあるので、あくまで一例として受け取ってもらえればと思います。
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3年働いて感じた「おすすめしにくい」ポイント
まずは正直に、「ここはちょっとしんどいな」と感じた部分から書いていきます。
外では通用しなくなるかもしれない、という焦り
一番強く感じているのは、社内で使っている技術が昔から変わっていないことです。しかも、今ではあまり使われていない、技術者がどんどん減っている言語を使っています。当分それを変える予定もないと聞いていて、そこが地味にこたえます。
これは社内SEという仕事の性質とも関係していると思っています。社内SEの一番の仕事は「会社のシステムを安定して動かす」ことです。新しい技術を入れればトラブルのリスクが上がります。だから不確実な要素はできるだけ減らしたい——そういう構造になりがちです。
ただ、これが長く続くとどうなるか。会社の外に目を向けると落差に驚きます。YouTubeや社外の勉強会をのぞけば、新しい言語やフレームワーク、AI周りの話題が次々に飛び交っています。一方で会社に戻ると、新しい技術が話題に上ることはまずありません。何年も同じ環境で同じやり方を続けている感覚です。
世の中のエンジニアが新しい技術をどんどん吸収していく。その一方で、自分だけが古い技術の箱の中に取り残されていく——そんな感覚になる瞬間が、正直何度もあります。「このまま3年、5年と経ったとき、外に出て通用するんだろうか」と考えて手が止まることもあります。
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新しい技術をどんどん触っていきたいタイプの人には、
ちょっと過ごしにくい環境かもしれません。
がんばっても給与に反映されにくい構造
もうひとつ感じているのが、評価制度がエンジニアの仕事内容に合っていないことです。
これは私の会社だけの話というより、情報システム部門を抱える企業によくある構造だと思っています。評価の基準が「どれだけ業績に貢献したか」になっている場合、直接売上を作らない情シス部門はそもそも評価軸に乗りにくいんですよね。サーバーを安定稼働させても、トラブルを未然に防いでも、それは「当たり前」として扱われがちです。
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システム安定に当たり前に稼働するのが大変なんですが、これをやってるだけだと、なかなか評価されないんですよね
ちなみに、私は今20代後半で、年収は手取りで約300万円ほどです。ただ家賃補助などを考慮すると実質的にはもう少しもらっています。昇給は、物価上昇によるベースアップを除けば月額で2,000円程度(年額にすると24,000円ほど)が基本線で、評価がある程度積み重なったタイミングで数万円単位の上昇が入る、というイメージの制度です。


それから、これ勤め先が子会社の場合、上のポジションが外部から来る人で埋まっているケースがあります。その場合、どれだけ頑張っても自分が上に上がっていく道筋が描きにくいです。キャリアや給与の天井が最初から見えている感覚、と言ったほうが近いかもしれません。
給与を伸ばしたいなら、会社選びの段階でどれだけ調べられるかがけっこう効いてきます。ここは妥協しない方がいいと思います。
それでも社内SEを選んでよかったと思う理由
ここまで読むと「社内SE、やめといた方がいいのでは」と思うかもしれません。でも、私は3年経った今でも、この仕事を選んだことを後悔していません。ここからは「選んでよかった」と思う理由を書いていきます。
ひとつの技術をじっくり深掘りできる環境
新しい技術が次々入ってこないことは、見方を変えれば「今ある技術を腰を据えて学べる」ということでもあります。
私は未経験から入ったので、最初の1年は目の前の業務を理解することだけで精一杯でした。もし新しい技術を次々に追いかける環境だったら、基礎が身につく前に消耗していたかもしれません。同じ技術スタックのなかで手を動かし続けられたことは、結果的に自分の土台を作る時間になったと感じています。
生活にゆとりがある働き方
もうひとつの大きな良さが、働き方の柔軟さです。
残業は月10〜20時間くらいで、少ない人だと10時間もいかないこともあります。私は部署のなかではどちらかというと多い方ですが、それでもこの範囲に収まっています。フレックスはコアタイムがなく、前日までに他の人に共有しておけば、始業・終業を自分で決められます。有給も取りやすくて、使い切れずに余らせることはあまりありません。
この「生活に余裕がある」ことが、自分にとっては想像以上に大きかったです。時間が余っているぶん、副業の情報を集めたり、自己学習の時間を作ったり、将来に向けた種まきができます。給与が急に上がらないぶん、「時間という別の資産」を受け取っているような感覚に近いです。
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時間があるって、それだけで選択肢が増えるんですよね。
副業や勉強をやりたい人にはかなり相性がいいと思います。
急には上がらないけど、安定はしている
給与面も、悪いことばかりではありません。たしかに急には上がりませんが、逆に言えば下がることもほぼなく、少しずつでも積み上がっていく安心感があります。
社内SE全般で見れば、会社選びさえうまくいけば「そこそこの年収+安定した昇給」を両立できる可能性は十分あると感じています。給与の伸びは業界や会社規模でかなり変わるので、そこは求人を見比べながらじっくり判断する必要がありそうです。
社内SEに向いている人・向いていない人
ここまでの内容を踏まえて、自分なりに「向いている人・向いていない人」を整理してみます。
向いていない人は、最新の技術をどんどん触って、スキルで尖っていきたいタイプの人です。社内SEの環境だと、技術面でも評価面でも、その欲求が満たされにくい場面が多いと思います。エンジニアとしての市場価値を急速に上げたいなら、受託開発や自社サービスの会社を検討した方が近道かもしれません。
向いている人は、生活の土台を安定させながら、別の軸(副業、資格、投資、家族との時間など)で将来の選択肢を広げていきたいタイプの人です。時間に余裕があるからこそ、本業以外に種をまく余白が生まれます。私自身、今はこのスタイルが自分に合っていると感じています。
私は社内SEになったことを後悔していません。でもそれは、「安定した生活基盤の上に、自分で別の柱を立てていく」という自分の価値観にたまたま合っていたからです。同じ仕事が誰にでも合うとは思っていません。
あなたがどうなりたいかを一度ゆっくり考えてみて、そのうえで判断してもらえたらと思います。
自分に合う道を探すために、まずできること
社内SEを目指している人にも、今の社内SEから次を考えている人にも、共通して言えることがひとつあります。それは、自分の市場価値と選択肢を一度きちんと把握しておくことです。
私自身、転職を考え始めたとき、まず何をすればいいかわからずに止まっていた時期がありました。求人サイトを眺めても、自分がどの求人に見合っているのかなかなかピンとこないんですよね。そのときに「だれか相談できる人が欲しい」と感じたのを今でも覚えています。
IT特化の転職エージェントは、無料で相談できるところがほとんどです。すぐに転職するつもりがなくても、今の自分がどのくらいの求人にマッチするのか、どういう選択肢があるのかを知れるだけで、頭のなかがかなり整理されます。
登録して求人を眺めるだけでも「今の自分の位置」が見えてくるので、情報収集の入り口として使ってみるのは悪くない選択だと思います。少なくとも、選択肢を知っておくだけで気持ちが楽になることはありました。
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一歩踏み出すかどうかは別として、情報を持っているだけで判断の質が変わる気がします。
最後にもう一度だけ書いておきたいのは、社内SEは人によって本当に合う・合わないが分かれる仕事だということです。この記事に書いたことも、あくまで「私が3年働いて感じたこと」でしかありません。あなた自身が将来どうなりたいかを軸にして、おすすめしない点とおすすめの点の両方を見比べながら、自分の答えを出してもらえたらと思います。
実は私、社内SEになる前の仕事を新卒を3ヶ月で辞めています。その時に考えていたことや判断を振り返っている記事もありますので良ければ一緒に読んでください。










