「職業訓練校でプログラミングを学んでも意味がない」——ネットでそんな声を見かけて、不安になっていませんか。
この記事では、実際に6ヶ月間プログラミングの職業訓練校に通い、その後IT職(社内SE)に転職した私が、訓練校のリアルな実態を書いていきます。学んだ内容がどこまで実務に通じたのか、クラスの脱落率はどうだったのか——よかった部分も足りなかった部分も、どちらもごまかさずに書いていきます。
職業訓練校のプログラミングは本当に意味がないのか?
まず結論から書くと、私は「意味がなかった」とは思っていません。
ただし、訓練校に通えばプログラミングができるようになる、IT企業に就職できる、とも思っていません。訓練校は万能ではありません。それでも、未経験からIT業界を目指すルートの一つとしては悪くなかった、というのが率直な感想です。
私自身、元々はIT業界とは無縁の引っ越し業者で働いていました。そこを正社員として3ヶ月(アルバイト期間を含めると約5ヶ月)で退職し、ブランクを経てから職業訓練校に通い始めています。プログラミング経験は、大学時代に独学でC#を少し触った程度でした。
そんな私がどう感じたかを、できるだけ率直に書いていきます。「訓練校に通うべきか迷っている」「意味があるのかどうか判断材料がほしい」という方に向けた記事です。
私が職業訓練校に通うことになった経緯
引っ越し業者を辞めた後、しばらくは実家に戻って貯金と日雇いバイトで生活していました。正直なところ、次に何をするか決まっていない状態です。
転機になったのは、母親の勧めでハローワークに行ったことでした。そこから地域若者サポートセンターを経由して、プログラミングが学べる職業訓練校の存在を知りました。
当時の私はIT業界に興味はあったものの、独学でやっていたC#も「作りたいものを動かすため」だけの断片的な知識しかなく、基礎がまったく固まっていない自覚がありました。無料で体系的に学べるなら行ってみよう、というのが動機です。華やかな理由ではなかったですが、あの時の自分にはそれが精一杯でした。
引っ越し業者を辞めた経緯や、社内SEに転職するまでの詳しい話は別の記事に書いています。気になる方はそちらも読んでみてください。

6ヶ月通って感じた「よかったこと」と「正直足りなかったこと」
体系的にJavaを学べたのは大きかった
訓練校で学んだのは主にJava、それとSpring Framework、PostgreSQL、少しだけHTML/CSSです。期間は6ヶ月間でした。
私が一番よかったと感じているのは、一つの言語を「基礎から順番に」学べたことです。独学でC#を触っていた頃は、動くものを作ることだけが目的だったので、知識がつまみ食い状態でした。訓練校ではJavaの基礎を体系的に学べたおかげで、「プログラミングってこういう構造なんだ」という全体像が見えてきた感覚がありました。
一つの言語を体系的に理解すると、他の言語を学ぶときにも応用がきくようになります。これは後から実感したことですが、かなり大きな収穫でした。
それ以外にも、授業料が無料だったこと(テキストは有料)、履歴書の添削や面接練習といった就職支援があったのも助かった点です。少し無粋な話かもしれませんが、訓練校側もハローワークなどに就職実績を報告する立場なので、サポートはしっかりしてくれていた印象があります。
そしてもう一つ、意外と大きかったのが仲間の存在です。訓練校に通わず一人で就活をしていたら、不安なことがあっても全部自分で抱え込むしかなかったと思います。同じ状況の人たちがいたおかげで、面接を受けた企業の情報を共有したり、わからないことを教え合ったりできる環境がありました。勉強や就活とは関係なく、みんなでご飯に行ったりもしましたし、あの環境は思っていた以上に心強かったです。
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「一人じゃない」と思えるだけで、気持ちの余裕がだいぶ違いました。
現場レベルのスキルには届かなかった
一方で、6ヶ月で学べる内容には限界があります。実感としては、Javaの基礎の基礎が身についた程度です。
これを痛感したのは、訓練校にいる間に実際の求人を見たときでした。IT企業の求人には、Javaという言語だけでなく「Docker」や「Git」といった、訓練校では触れていない技術がずらっと並んでいます。当時の私は「プログラミングを勉強すればエンジニアになれる」と思っていた節があったので、まだまだ学ばなければいけないことが山ほどあると知って、少し絶望に近い気持ちになりました。


最新の技術やフレームワークまでカバーするのは、時間的にどうしても難しい。それなら就職して実践の中で身につけるほうが早いのでは、と感じたのも本音です。
ただ、「未経験でいきなり飛び込むのは怖い」という気持ちもよくわかります。私もそうでした。だから訓練校に通う選択自体は否定しません。基礎を知った状態で現場に入るのと、まったくゼロで入るのでは、やはり違うと思います。
ついていけなくなる人のパターン
クラスの人数は20人ほどでした。そのなかで、途中でいなくなってしまった人が確実に2人はいました。記憶が定かではありませんのでもっといたかもしれません。
脱落しやすかったのは、「一つのことを完璧に理解してからでないと次に進めない」というタイプの人です。プログラミングは、ある概念がよくわからなくても先に進んで勉強を続けていると、後から「あ、あのとき言っていたのはこういうことだったのか」とつながる瞬間があります。むしろそっちのほうが多いくらいです。
けれど完璧主義の人は、その一つを理解しきるまで止まってしまう。結果として全体の進度に追いつけなくなり、最後まで進めないまま終わってしまうという感じでした。
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「わからないまま先に進む」って、
プログラミング学習ではけっこう大事なスキルだったりします。
訓練校に通わなくてもIT転職はできると思う理由
ここまで訓練校のよかった部分と足りなかった部分を書いてきましたが、私が今一番伝えたいのは「訓練校を経由するかどうかは、実はそこまで大きな問題じゃない」ということです。
今は未経験者を採用して、入社後に研修を行ってくれる企業も増えています。そういった環境に飛び込んでしまえば、訓練校で半年かけて学ぶ内容を、実践の中でもっと早く吸収できる可能性もあります。
実際に私が社内SEとして働き始めてから感じたのは、訓練校で学んだJavaの知識がそのまま業務に直結したわけではなかった、ということです。現場で使っている言語やツールは訓練校で触れたものとは違っていて、結局入社してからキャッチアップする必要がありました。ただ、「変数とは何か」「ループや条件分岐の考え方」といったプログラミングの基礎的な考え方が身についていたおかげで、新しい技術を覚えるスピードはゼロからの人より早かったんじゃないかと感じています。
結局のところ、訓練校に通っても通わなくても、「自分から学び続ける姿勢」がないとどこかで行き詰まるんだろうなと感じています。
そういった意味では、体系的に学べるのは訓練校のよさですが、それだけが道というわけでもないです。「何から手をつけていいかわからない」という人にとっては入り口としてよい選択肢ですが、いきなり就職してみるのも十分ありだと思っています。
もし今「IT業界に転職したいけど、まず何をすればいいのかわからない」という状況なら、転職サイトやエージェントに登録して、未経験歓迎の求人を眺めてみるだけでも景色が変わるかもしれません。研修制度がある企業がどれくらいあるのか、自分が応募できそうな求人があるのかどうか——それを知るだけでも、「訓練校に通うべきか」の判断材料になるはずです。
まずは「やってみる」だけでも十分な一歩になる
訓練校に通うか、いきなり転職するか。どちらのルートが正解かは、人によって違います。
ただ、どちらを選ぶにしても——いや、どちらも選ばなくても——「プログラミングをちょっと触ってみる」ことはできます。
私も最初は完全に独学でした。大学時代に作りたいものがあって、それを動かすためだけにC#をかじった。体系的な勉強なんてしていなかったし、基礎も全然わかっていなかった。でも、あのとき自分の手で何かを動かした経験があったからこそ、「もっとちゃんと学びたい」と思えたし、訓練校に通う決断もできました。
もし今「やってみたい」という気持ちがあるなら、極論、転職とか訓練校とか関係なく、趣味でプログラミングを始めてみるのもいいと思います。無料で学べる教材は今ならいくらでもあります。手を動かしてみて、「おもしろいな」と感じるかどうか。それが一番の判断材料になるんじゃないでしょうか。
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最初の一歩は、転職でも訓練校でもなく「自分の手で何か動かしてみること」でした。振り返ると、そこが全部の起点だったと思います。
転職の話に限らず、IT業界で実際に働いてみてどうだったか、社内SEの生活がどんなものかについても記事を書いています。気になる方はこちらも読んでみてください。











